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エビナット(ローレットナットまたはブラインドナット)を交換してみた。(2014年6月23日)


 

エビナットはローレットナットまたはブラインドナットと呼びます。K1200Sリアキャリア装着

やったぜ!!自力!!
今日は根性の自力エビナットを解決しました!(2014年6月23日)

今回は、自分自身がまったくの無知の状態から単純にリアキャリア装着までが遠いことを学ばされました。これは単車(バイク)の整備に関する物語です。

http://ameblo.jp/clubbigone/theme1-10023389102.html#main
似たようなことになって残念な人は結構いるんですね。
参考になりました。

そして、この車種に限らず、メンテナンス性を考えたローレットナット、通称”エビナット”の一部始終を論じてみます。

皆さんもまさか、必要になったとき、読み返してみてください。

エビナットとはロブスターの商標のよう、なるほど海老なんですね。

図のように金属を変化させて圧迫留めします。そのため、加工が安くメンテナンスもやりやすいのです。

エビナット



タンデムグリップを交換したかっただけなのに・・・。


さて、今回はタンデムグリップを取り外してキャリアー付グリップにしよう!ということで、BMW K1200Sの6mmトルクスネジをまわしたところ・・・。

赤はトルクスネジがなめてしまった。緑は供回りしている。
BMW K1200Sトップケース用キャリア装着 ねじ山修理
回してもまわしても、無限回転(供回り)するではないか!!ビックラコイタ!
っというわけで、ディーラーやカスタムショップから情報を仕入れ、ローレット(ブラインド)ナットの存在に気がつくというお話です。

ディーラーへ行くと「だからBMWはさわるな!」という言い方です。確かにそうかもしれませんが、たとえお願いしても、高額な工賃と待ち時間(車両を預けて2~3週間だったりする。)を余儀なくされる。この程度なら出来る!と判断してみて、ネジをはずしたところから悲劇が始まるのですが、わずか5日で解決してしまうお話です。

K1200S SWモーテックアリュラック
先日、注文して2週間で届いたSWモーテックのアリュラック、BMW純正キャリアも販売されていたのだが、今回は角いアルミケースをつけるため、こちらを選びました。純正のパニアケースがつけられるのか?情報が無かったのですが、誰かのブログで同じ製品がパニア付で設置できていた写真があったので、これを選択しました。届いてからわかりましたが、純正のパニアケースもちゃんと取り付け可能ですよ!!現行のK1300Sの方も同様と思われます。走りや性能はほれ込むKシリーズですがSはパニアケースも小さいし、積載性はあまり良くありません。デザイン的にトップキャリアーは無いほうが格好いいですが、今回はどうしてもつけなければならない事情があり、自分でつけてみることになりました。


供回りするということは、単純に工具では取り外しが不可です。


これは、ネジにネジロック剤(接着剤)をつけているためで、雄ネジと雌ネジが抜けない人生です。^^;

こうなると、どうにもこうにも。BMWのネジロック剤は種類がある中でも最強のものでした。

ややピンクのネジロック剤が確認されました。ネジロック剤は強度ごとに色分けされており、各社共通です。その中でも最強なので、たとえネジを緩み方向へまわしても取れません。強固な接着剤と思ってください。中粘度程度ならばやさしくまわせば周りますが、強粘度のネジロック剤をはずすには、

1)ガスバーナー、ヒートガン、ハンダゴテなどでネジを加熱する。

2)CRC(クレ556など)、パーツクリーナーで洗浄後まわす。

3)ネジにハンマーなどでインパクトを与えてまわす。

4)エビナットを破壊する。

があります。ガスバーナーなどであぶることは最も有効です。但しガスバーナーが使える場所はブレーキディスクなどの鉄同士ロックされている場所などに限ります。CRCなどは弱粘度のロックタイプに有効。インパクトは試していませんが、可能性は低いです。

万が一、まわしてしまって供回り後、このサイトを見た人は(4)のみが可能です。

私のとった手段は、最終手段。

エビナットを破壊して修復する。まずはネジヘッドをドリルで飛ばす。

まず、ネジヘッドをドリルで飛ばします。(400Wドリルホームセンターで7000円ぐらいで買いました。)

さらに9mmのドリルビット、ドリルセット、6mmネジ、ワッシャー、ネジザウルスXPなどなど購入

全部で+5000円ほど。

ネジザウルスXPなど購入品

まずは、3mm程度のドリルでネジヘッドを仮彫りします。

その後、6mmぐらいで本彫りすると頭が飛んで、ハンドルが外れます。
結構、手早く出来ました。

ネジヘッド破壊

ネジヘッドがドリル歯についてきた
これを数箇所繰り返し(6箇所のうち5箇所が破損)ハンドルをすべて取り外すことが出来ました。

さて、こっからです。

ガスバーナーを当てたり、半田ごても使用しましたが、効果なし。
よっぽどきついネジロックで固定されています。

インパクトで壊せるとも聞きましたが、今回はメスネジを破断させようと考えました。

K1200sトップケースキャリア修復

ネジ頭を破壊した図。

単純にドリルをそのままつっこんでいけばよいのですが、雄ネジの残骸が邪魔して簡単ではありません。ドリルヘッドが逃げてしまい、フレームに傷がつくだけです。
無理にドリルをまわすと折れたりします。
困った。困ったコマドリ姉妹。

エビナットをどのようにして修理するか?

そこで、試行錯誤した結果、ネジザウルスで、エビナットの外部の縁を壊してゆくことで、フレーム内に落とすことに成功。

緑の矢印の部分(エビナットのふちの部分)をネジザウルスで破壊。

左手にラジオペンチ、右手にネジザウルスXPを使って作業する。まずラジオペンチで雄ネジの先をつまんでエビナットを上に持ち上げる。そして、ネジザウルスを巧みに使い、左右からプレスしてゆく。そうすることでエビナットの支えが無くなってフレーム内に落とすのである。つまみ方にコツがありますが、慎重に焦らずやってください。コツをつかんだら、2個目も楽勝です。この部分のエビナットを破壊する。

実際の写真がありませんが、(作業に夢中でごめんね)ネジザウルスの歯でつぶします。

ネジザウルスでひねりつぶす。

エビナットがぐらぐらしてきたら、ドライバーとハンマーを使ってたたいてエビナットを落とします。

サービスホールからエビナットを回収
さらに、マグネットキャッチャーで残骸もサービスホールから回収。ついでに鉄くずも磁石で引っ付けて掃除しておきます。鉄粉がいっぱいついてきます。

磁石で鉄粉をお掃除


これを繰り返して新しいエビナットを挿入してカシメて完了!
ちょっとナッター

これがエビナットの簡易版(ホームセンターで980円 M6タイプ6個いり)

17mmのメガネレンチでエビナット

17mmのメガネレンチ(推奨)で”ちょっとナッター”を使ってエビナットを取り付けます。銀色の線が入っている箇所がひしゃげて、ロックする仕掛けです。

ちょっとナッター使用例

ちょっとナッターを図のように車体フレームの穴に挿入し、左手のメガネレンチは固定したまま、六角ネジ5mmを右回しに締めてゆきます。この際に何回転まわすかは説明書に記載されています。このフレームの厚みはおおむね3mmと想定して2回転まわしてみました。サービスホールからのぞき見てまだ余裕がありそうなので2.5回転まわしました。この作業はめっちゃカンタン。しかもシンプルで工具も不要なので安くて便利です。ロブスターさん!!

エビナット修復完了図
案外3時間ぐらいの作業で完了しました。慣れれば、嫌だけど可能です。
あたらしいエビナットへリペア修復施工箇所
今回は別な意味でネジザウルスXPに救われました。

新しいエビナットでカシめていく瞬間がご褒美タイム。
エビナット K1200Sキャリア完成
初めてながら、きっちりかっちり出来ましたよ。これでツーリングが楽しくなりますね。二人乗りタンデムで荷物も大量に載ります。すばらしいバイクになりました。いいかんじK1200Sリアキャリア取り付け

ディーラーで5~6万円の仕事と思われます。
(しかも3週間以上待たされる。)

エビナット便利だけど、恐ろしい。。。

ちゃんちゃん。

 

作業時間:約3時間(パーツや工具の買出しなどに時間がかかった。)

天候:晴れ

気温:27℃

※最低限の工具や知識、経験が必要な作業です。安全面にもご注意の上、施工されてください。